にゃもり分室900強

気がついたときだけ何か。

Essen Spiel 2012 4日め

いよいよEssen Spielも最終日です。

食べ物の味自体はおいしいのですが、疲れている体に肉としょっぱいものと黒いパン中心の食べ物が入っていかない……。無理矢理詰め込むように朝食を食べて連日のようにレストランでミーティングです。

 

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なんと後ろのテーブルに「キャメロットを覆う影」などの作者のBruno Cathalaが!

朝食をとっているところ失礼してしまいましたが、「キャメロットを覆う影」はボードゲーム恐怖症にかかっていた私に協力ゲームの存在を教えカムバックのきっかけを与えてくれた本当に大好きなゲームの1つなのです。

写真に写っているのはOKAZUさんですが……。

握手した手がしばらくもったいなくてどうしていいのか分からなくなりました。

 

さてこの4日間ブースに座ってゲームを売っていただけではありません。

ヤポンブランドとしてはせっかく日本からゲームを持っていっているのですから、海外のパブリッシャーにサンプルを渡して検討してもらう交渉などもしています。

最終日の今日も建部さんやSimonさんが飛び回っていろんなパブリッシャーにヤポンのデザイナーたちがサンプルを渡していました。

私はそこについていく旦那さんについていったりついていかなかったり……。

ほとんどそのついでに会場を見て回るのを楽しみにうろうろしていた感じです。

 

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D&Dの新作フィギュアを飾っているショーケースに……

 

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アングリーバード!かわいい!

 

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AEGのブースでカナイさんの「ラブレター」の中身だけのものが3€で売られていたり!

(本来は布製の巾着袋に入って7€、それが売り切れてしまってこんな売り方を)

 

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こちらも毎年日本から出展している冒険企画局さんのブース。

私たちヤポンブランドとは少し離れた9ホール、色んな国のおもちゃなどが中心に集められているホールにいらっしゃいます。

えぬえぬさんにご挨拶して、タダで配布してたプロモーションゲームを頂いてホクホク!

 

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そうして遊んで帰ると、ブースではwebラジオの取材などが来ていて、てんやわんやでした。

今日はゲームを購入していく人はさすがにもう少なかったのですが、交渉や売り込みにくる企業や団体はひっきりなしにヤポンブランドブースに訪れていましたよ。

 

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最後の買い物にTRPG・ファンタジー中心のホールに行くと、オール半額叩き売りセールが始まっていて、売り子のおにいさんが怒号を飛ばしながらカードのパックを餅撒きのようにお客に向けてばらまいていて俄然テンションがあがります!

ただでさえD&Dのルールブックが5€とかで叩き売られていたのに、それが全部半額とかどういうことなの!(日本で買うと、翻訳されリプリントされたものが6000円くらいです)

他にもイギリスで出版された詳細な大坂夏の陣の研究本なども旦那さんと共同で買ったりして、読みたくて読みたくてしかたありません!これが読めるなら日本語じゃなくて英語でも頑張れると思う!

 

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同じように悪魔に魂を売ったカナイさんがブース内で黙々とMtGのパックを開けています。

 

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同じくカナイさんが見つけて来た珍品、ドイツ製マージャン。

ぜんぶ木でできている!点棒がカラフル!

 

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私も魂は買い物の誘惑という名の悪魔に売ってしまっていたので、気がつけばドラゴンのぬいぐるみを家族の一員として迎え入れていました……。

 

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今日のコスプレさん。

ファンタジー系の人は普通に会場を歩いていて、ロングボウを担いで尖った耳がロングヘアから突き出しているエルフさんが近代的な乳母車を押していたり、ハーフプレートアーマーの騎士がブースの間を闊歩していたりします。

あとアニメ系だとNARUTOがみんな大好きなんだなあという印象を受けました。BLEACHは一人も見かけなかったのですが……。

 

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大学で日本文化を専攻しているという女性2人組。

着物を自分で着られているとのことですが、日本人の目から見ても最高に奇麗に着ていらっしゃいました!

 

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同じホールの端ではカルカソンヌ世界大会が行われていました。

日本からも代表の方が出場されているとのことで応援に行ったのですが、自分が知っているカルカソンヌとはまるで違う厳しいガチガチの雰囲気に気おされてしまいました。

もうこのレベルになるとみなさん実力が伯仲しすぎていて、最後には引きの勝負になってしまうとかなんとか……。

 

 

最終日は17時で閉場となり、私たちはブースの片付けです。

ありがたいことにヤポンブランドは多くのゲームを売り切ることができ、そうでなかったゲームもかなり売れ行き好調だったりメーカーに興味を示してもらえたりと多くの収穫を得ることができました。

 

来年もOKAZU Brandとして外に出せるゲームを作り続けて、この場所にもう一回来たいものです。

初めての海外でもあったので、肉体的には少し辛いものもありましたが、多くの驚きと喜びと挑戦の連続で、自分の中で大きくステップアップできた4日間+準備の2日間でした。

 

閉場の後に、実はボロボロになったプレイサンプルでもいいからTRAINSを譲ってほしいと昨日の時点で予約していたおじさんがいたのですが、時間を大きく過ぎても姿を見せず、残していった電話番号に電話をして「欲しくないの?こないの?もうホテル帰るんだけど」と聞いたりもしました。

忙しくて躊躇う暇も無くて「あ”あ”?来れないの?はいはいまあしょうがないッスよ、今度はうちのゲーム買ってね」みたいな対応をして終了でしたが、そういや外国の人に電話をかけて英語でやりとりするのも生まれて初めてでした\(^o^)/

必要に迫られればなんとかなるもんですね!

 

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荷物をまとめている間に、一般客の退場がだいたい済んで、会場の照明が一段階落ちるとホールには出展者の拍手が鳴り響きました。

ああ、終わっちゃったんだなあ……。

 

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最後に荷物を見送って、無事ブースの撤収が完了しました。

さよなら、Essen Spiel 2012!願わくばまた来年!

 

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さて後はこの買いすぎたお土産の山をどうやってトランクに奇麗に詰め合わせるか、最後の仕事をこなして眠りにつきたいと思います……。

 

 

最後に、このエッセンに来て、得たことの中で一番大きかったことを皆さんにも。

ヤポンブランドの大きな支柱の一人のSimon(日本語を含む4カ国語がペラペラな謎のスウェーデン人、持ってた日本のマンガにそれっぽい記述があったというだけで、児童ポルノ所持違反でスウェーデン国内で罰金刑を言い渡されたけど、最高裁で無罪を勝ち取った有名翻訳家だったりする)に、なんでそんなに多くの言語を使いこなせるのかとビールを飲みながら尋ねたら、いつもの流暢で早口な日本語でこんな答えが。

 

「僕は日本の大学で、部活で居合道をやったんだけど、真剣で、藁でできた標的を切ってみろって言われたのね。それで僕はその的を切ろうとしたら、刀が刺さるだけでその的を一刀両断にすることができなかったの。

そうしたら居合道の先生がなんと言ったかというと、『切る標的そのものを狙うから、刀の軌道が標的の中で終わっちゃうから、標的を最後まで切ることができない。狙うのは標的のその向こう、標的よりさらに先の空間を狙って刀を振り下ろせばいい』って。

僕は半信半疑で言われた通りにしたらね、スッと標的が切れたんだ。

これはね、言語を習得するのも同じだって僕は思ったね。

『言語を習得すること』を目標にしちゃいけないんだ、『その言葉でどうしても読みたいものを読むこと、見たい映画を見ること、したいことをすること』を目標にすれば、自然とその言語は身に付くんだよ。

現に僕は日本のアニメが見たかったし、マンガが読みたかったから、必死になって日本語で読んだんだ。そしたらこの有様だよ!弱気属性の縦ロールお嬢様とか萌えて萌えてマジしょうがないよ!」

 

どんなんだよw!