Essen Spiel2014、1日目(10/16)
おそらく一番忙しいのはこの日ではないでしょうか。
Essen Spiel開幕初日、ビジネスデーの一日目です。
出展者用の入場チケットがないとオープンの10時までには入れないんですが、2ブースとったにも関わらず私たち全員分は出展者用のチケットはもらえず、残りは10時からしか入れないチケットだったのだそうです。
私は先行組にさせて頂いたので、6時には起きて8時にホテルを出て会場入りです。
準備だけの昨日まではチケットを見せなくてもわりとスカスカ入れたのですが、さすがに今日はチェックが厳しいです。
所属と名前を書き込んだチケットを一人一枚もってるか確認されて、今日の日付の欄にパンチ穴が空けられます。
ブースまで歩いている間、ielloブースにEat me, if you can (赤ずきんは眠らない英語版)の製品完成版があるのを見つけて喜ぶJunias佐藤さん。
さて、去年のエッセン出展で一番の大事件だったのは、「朝ブースに行ったらもうブース前に大量の人だかりができていて、『ああこれは終わった』と全員パニック」でした。ヤポンブランドのゲームは個性的で、将来どこかのパブリッシャーに拾われるかもしれないけれどここを逃したら一生手に入らないかもしれないものなので、先を争ってでも買ってくれる人がいるんです。
それも最初はあまり注目されてなかったところから良質のゲームを送り続けて地盤を固めてくれたヤプンブランドの先輩たちと日本で支えてくださっている皆さん、そしてプロモーターの健部さんのおかげですね……。
朝来たらブース開いてないのに人だかり、という大惨事が起きていないかヒヤヒヤしながら向かいましたが……。
まだ大丈夫でしたー!
朝イチに来てよかった!今年は余裕をもって準備できるぞー!
とはいえ釣り銭を作るのを誰もがすっかり忘れていたので、メンバーから小銭をかき集めて金庫に分けたり、木のコマが足りないゲームは同じホールのシュピールマテリアルに取りに行って箱詰めする作業があったり、レジ二台体制でいけるように配置を変えたり、結構ばたばたと準備をしていました。
そうこうしているうちに、いつFaceBookで友達になったのか分からないけど毎年挨拶してるアメリカのボドゲショップのKevinがやってきて、「僕は自分のブースがあるから列べないんだけど彼女が列ぶよ」と連れの女性がブースの前で待ち始めました。
レジ作業しながら話していると、彼女はエンパイアビルダー(クレヨンで線路を敷く鉄道ゲーム)の作者の娘さんとのことで「私はゲームは好きだけど電車のテーマのはそんなでもないのよ。死ぬほどプレイさせられたけどね!」と……。ひょっとしてそれで電車テーマ嫌いになってしまいましたか……。
この最初のウェイティングが出たのが8:40。
そこからあれよあれよと人が増え始めて、
前のブースがどうやらダブルブッキングなどに対応するための予備ブースらしいので、お借りして列形成をしつつ。
人が溢れ始めてきました……。
列形成係のメンバーたちが頑張って誘導して、試遊卓などもいったん全部片付けたミニマルブランドブースにも列を分割して待機してもらうなどしました。
私はレジにいましたが、今回は品数が多くてとにかく計算が大変!
OKAZUさんカナイさんに任せてしまってあまりうまく動けなかったです。
問い合わせなどがあって長くなるお客さんに横にずれてもらって対応することが多かった感じでした。
一息入れる間もなく動き続けて、待機列がはけるまでに2時間くらいかかりました。
みんな大混乱してもうぐちゃぐちゃでしたが、後から思うとできる限りの範囲でうまく乗り切れたほうではないでしょうか!オペレーションは全員でかなりよく頑張りましたが、いかんせん去年より押し寄せた人数が段違いでした。
お客さんも紳士な人ばかりで、多少のトラブルがあっても譲り合ってくださって本当に助かりました。
それでも断続的に予約分を取りにきたお客さんが来てレジにはだいたい人がいる状態だったのですが、コンセプション佐藤さん&Junias佐藤さんがきっちり対応してくださっていたのでお任せできました。そこでやっと完全に棒になっている足をほぐすためにも少しだけ会場内を歩き回れました。
AEGブースではTRAINS2ことTrains: Rising Sun、そして私たちは関係がないけれど似た名前のシリーズ作品PLANESがゴリゴリ試遊されていました。
お向かいのペガサスシュピーレでは、ドイツ語版のセイルトゥインディアも販売されてました。(この写真の、CAMEL UPのちょっと上!)
あと、エッセン出展の大先輩、冒険企画局さんのブースも見に行きました。
シェフィの試遊卓かわいい!!!!!!
NEXTはどうなんだろうなあ、とか思いながらやっぱりD&Dのフィギュアにときめいたり!
止まったところの命令を聞く(酒を飲むとか脱ぐとか)ひどいwルーレットを回してみたり(回すだけ!)。
噂の、靴下に小石をつめて人を殴る重りを入れて的に投げ入れるゲームを見たり。
今年ももちろん、大量のハリボーの量り売り屋台もありました。
大人も子供もずいぶんと楽しそうに袋にグミを詰め込んでいます。
会場をぶらぶらしていると、長谷川登鯉さんのSPIELEステッカーを貼ったトランクがあったのでびっくりして持ち主にお声をかけると日本から来た方でした!
ご夫婦&お子様でエッセンに来られていた彼葉さんご一家でした!
お名前はかねがね伺っていましたがゆっくりお話しするのは初めてで、OKAZUさん共々ご挨拶させて頂きました。
のんびりしてブースに帰ると、あまり混雑はおさまっていませんでした……。
朝買ってプレイしてみて、評判が評判を呼んだものを買いに来たお客さんが何回かの波に分けておしよせたようです。
ここで、投票スペースがあってリアルタイムにエッセンシュピールでの注目作のランキングが画面に映し出されるんですが、ヤポンブランドの作品が軒並みランクインしていた瞬間があったとか。
なんということでしょう……。
そんなこんなで、どんどん売り切れの作品が出てきます。
今日はまだ一日目なのに。一般のお客さんが入れるの三日目なのに。
お客さんにも「なんでもっと持ってこないの」って言われるのですが、それぞれが個人レベルで作っている同人ゲームだし、船便で輸送とはいえ限界もあるし、ものによってはトランクにつめてゴロゴロ手で押して持って来ているので必然持ってくる数は限られます。
私たちは、ですが、今のところはこうして話題になってもらって、パブリッシャーに拾ってもらうことがやはり一番の目的ではあります。
OKAZUさんの作品もいい手応えがあるので、三つ持って行ったうちの一つくらいはどこかから出版されるといいなあ!
さて、ここまで売り切れてくるとさすがにブースにも余裕が出てきます。
となりのブースでは試遊卓がひっきりなしに回っていますが、レジ裏でも少し好きなことをしたり、あと買い物に出たりして過ごしていました。
製品版Eat me, If you canを開けてみるじゅんさん。
サイン責めにあうカナイさん。
ん、なんだこのラブレターは……?
私はここまで飲まず食わずだったので、ふらふらと近くのスナックポイントに行ってケバブを立ち食いしました。
飲み物と一緒でこれで6ユーロ近くでしたから、やっぱり展示会場内での飲食は高くつきます。でもひと心地つけた……。
あとはひたすら、ブースにいてお客さんやらそうじゃない人の応対をして、欲しいゲームが買えなかった人にはひたすら話を聞いて日本のゲーム事情を話したりして納得してもらったり、ブースに来てくれたボードゲームデザイナーの人の作品を見せてもらったり、ひたすら雑談でした。他の皆さんは試遊卓回したりカタログ配ったりしているなかで、とにかく雑談……もうしわけない……。
そうそう、そんな中でとにかく気をつけたのが、笑顔のキープでした。
ブースに立ってカタログを配っていても、とにかく東洋人のむすっとした顔は目について、なんだか怒っているように見えることが多いんです。多分私たちにとっては普通の顔なんですが、明るい髪の色の人たちに混ざるとなんだか目立ってしまっていて。話すとみんなニッコリするんですけどね。
傍目から見ると結構怖く見えて話しかけ辛いのかなあ、と、ひたすら笑顔と、あと挨拶だけでもこちらから話しかけてスタッフとして手助けする準備のあることを示すようにしました。
ただでさえ着物という日本人アイコンを全面に押し出した格好をしているんですから、気をつけていい印象のスタッフでいようと思いました。努力だけでも。
とかいってあくびをかみ殺していたらJunias佐藤さんにツッコまれたりしましたがw
閉める直前のブースにフリーゼが!皆走って行って写真を撮ってもらったり、サインをもらったり(なんと彼が取り出したのはやっぱり緑色のペン!)。
彼の緑もアイコンなんだよなあw
一日の終わりの作業も結構大変です。
在庫の残りが帳面と合っているか確認したり、売り上げを数えて過不足が無いか計算したり。どうしても合わないのが出てしまって、ホテルに帰っても帳面とにらめっこになってしまったり。
毎回担当メンバーは神経をすり減らします。本当にごくろうさまです……。
この日はその後にお楽しみがありました。
一つ目は、ielloのブースでのパーティ。
Eat me, if you canでJunias佐藤さん、セイルトゥインディアフランス語版でOKAZUさんがielloから新作が出ているのでご挨拶に行きました。
アントニオ・ボザと写真を撮ってもらうOKAZUさん!
また、小早川フランス語版もielloからの出版とのことで、小早川カンバッチを頂いてしまいました!
お楽しみその2は、Queen Gamesブースでのパーティ!
パーティなんてものにそんなに出る日がくるなんて……。
以前に社長がゲームマーケットに合わせて来日したときに、健部さんが観光案内をしたりヤポンブランドメンバーや台湾ボードゲームデザイナーとの懇親会をセッティングしたお礼にパーティに呼んで頂けたようです。
カ レ ー !
Queenの社長ラジブ・グプタ氏(世界史に詳しい方ならこの名字で出自が想像できるはず)はインド人なので、さすがです!
ブース内でQueen Gamesの大箱がどさどさと詰まれているのを見ながら食べるカレーはまた不思議なものです。
この規模!飲み物も食べ物も取り放題で、本当にすばらしい夕食となりました。
食事をするかたわらで、将棋をしたり、北尾まどか女流二段が新作ゲームで遊んだり、カロム台が設置されてお酒を片手にカロムに興じていたり。
三年前初めてエッセンに行って、同人版TRAINSの箱を持ってQueen Gamesにどきどきしながら挨拶に行ったとき、なんでこのブースカレーくさいんだろう、と思っていた疑問がやっと解決しました。
この日はホテルに帰ったらもうそのままシャワーを浴びて寝てしまいました。
でも一番大変な日は乗り切りました。明日からはかなり余裕がでるはず。のんびり過ごします!